腰を痛めた。
くびれを目指して始めたトレーニングが楽しくて、
「痛いー痛いー」と言いながら、毎日、時間を見つけては取り組んでいた。
やり過ぎた。
昨夜0時近くに仕事が終わり、
さっさと寝れば良いものを
ついつい、ちょっとだけ、と。
やっちまった。
いやぁな違和感を腰に感じながら眠りにつき、
翌朝起きると
いつもの5倍の時間をかけないと動けないほど、痛くなっていた。
今から東京出張だ。
健康を切り口としたセミナーの司会
私は腰を丸めて「いててて」と言いながらやるのか!?
夫が「これ巻いとき」と、コルセットを出してくれた。
ぎっくり腰を何度か経験している夫、
辛い痛みがわかるからか、いつになく優しい。
が、
夫と私は身長差25センチ、体重差40キロ。
一旦「ありがとう」と受け取るも、
体を締めるためのものを、あなたと共有できるわけがなかろう。
「いやいや、いけるて」
彼の目には、
オーラを含めた私の大きさが見えているのだろうか。
物理の私は、そんなに大きくないぞ。
「いやいや、やっぱり無理やで」
問題は、そこからだ。
痛い 痛い
めちゃくちゃ痛い
こうなると、視野が狭くなり
心まで超狭くなってくる。。。
駅まで自転車で行こうと思っていたが、
この腰では叶いそうもない。
休日の朝をのんびりソファでくつろぐ夫。
聞けば、私より1時間後に出発するらしい。
いつもの5倍かけて準備をする私に向かって、
夫は
「駅まで送ろうか?」
と言ってこない。
何だか腹が立ってきた。
私にバスで行けと言うのだな。
こんなに痛がって可哀想で頑張っている妻に対して、
なぜ、あと一歩踏み込んだ優しさを見せられないのだ!
「駅まで送るで」
と言ってくれたなら
「ううん、大丈夫」 あるいは
「マジで?ありがとう。助かるーー。」
と言うのに。
私は、なぜか
「駅まで送ってほしい」と言わない自分に気づいた。
なぜ言わない?
いや、何だかわからないけれど、
言いたくない。
言いたくないのだ。
腰が痛くてたまらないけれど、
自分から言うのではなく、夫から「送るよ」と言ってもらいたい。
馬鹿らしい。
実に、馬鹿らしい。
段々、自分の馬鹿らしさが面白くなってきて
じっと観察して、この感情に浸ってみる。
クソジジイ!
なんて冷たいんだ!
心の中で怒りを爆発させながら、
自作自演も甚だしいなと横から見ている自分がいる。
体調が悪いと、こうも視野が狭くなるものか。
久しぶりの不調が、健康が人に与える影響の大きさを教えてくれる。
なんやねん‼︎
いっつも、私は送ったってんのに‼︎
まだ怒りながら、
それを上から見ながら、
ゴロゴロとスーツケースを引き、慎重にバス停までの道を行く。
そういえば
夫はバスが好きで、私の送迎申し出を断ることもしばしばだ。
バスが嫌いで乗りたくないのは私の価値観で、彼にとってはなんのマイナスもないのだった。
私はなにを、あんなに怒っていたのだろうか。

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