〜私が世界を変えていく

  1. エッセイ

明治生まれの祖父の言葉

↑HERMOSAS HERMANAS https://www.instagram.com/hermosas_hermanas

「まこは、1人遊びが上手やな」

堀こたつの向かい側に座る祖父の言葉は、唐突だったように記憶している。

8歳くらいの私は、祖父のことを怖い人だと思っていた。

明治生まれの祖父は

松下幸之助さんのような風貌の物静かな人だったが、

厳しい時代を生き抜いてきた凄みのようなものを纏い

静かな迫力があった。

やんちゃな従兄達も

祖父の一括には、ビシッと背筋を伸ばして即座にフリーズしていた。

10歳の時に亡くなってしまい

残念ながらたくさんの言葉を交わすことはできなかった。

唯一、覚えているのが

「まこは1人遊びが上手やな」

と言われたことだ。

実は、2人でこたつに入っていても

どんな話をすれば良いのかわからず、

”目の前の折り紙を一心不乱に折り続けておこう”

と思っていただけなのだけれど、

思いがけず

初めて(という認識)褒められて、戸惑った。

深い意味などない言葉のはずだけれど、

時折、ふと思い出す。

あの時、祖父はどんな気持ちで声をかけてくれたのだろうか。

私達夫婦に孫ができて

夫が、孫にモジモジされてしまった時に、

その答えがわかるのかもしれないな、と思う。

子供達はまだ10代なのだけれど、

なんだかあっという間に

そんな日が来るような気がする。

孫がモジモジする相手は、

私ではなく夫だと決めつけながら、

あの日のおじいちゃんの気持ちに触れられることを楽しみに、

歳を重ねよう。

エッセイの最近記事

  1. 小さな大冒険

  2. 作者の気持ちを答えなさい

  3. 私は間違いなく優等生

  4. 富士登山は突然に 〜下山とあとがき

  5. 富士登山は突然に 〜いよいよ本番③

関連記事

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP