車の後部座席で、
高校生の娘が涙をこぼした。

小学生の頃からテニスをしている娘は、
人前でほとんど泣かない。
悔しい負けの後は、
しばらく居なくなり、
目を赤くして戻ってくる。
最近は、
「泣いてる暇があったら、どうやったら
次に同じミスをしないか考えろ」
と思うらしく、
泣くことすらやめたようだった。
そんな娘が、
堪えきれずに涙をこぼした。
勝利に向かっていい流れだったのに、相手の
イレギュラーとネットインが3本連続する
アンラッキーが続いたところから、
ガタガタと崩れてしまった。
そこからどうしても立ち直れず、負けた。
翌週、改めて強い気持ちで臨んだ試合で、
またボールがコートに入らなくなった。
逃げずにコートに立ち続けるだけで偉い
と思えるほどに、悲惨な内容だった。
そこまでひどい内容だったことで、
気づいたことがあった。
だから、決して無駄な試合ではない。
でも。
娘は、自分に厳しい。
泣かないし、言い訳をしない。
普段から余計なことを言わない姿には、
ほとほと頭が下がる。
完璧でありたいと願う彼女は、
自分にOKを出せることが少ない。
不甲斐ない自分に対して娘は
「キモい!ほんまにキモい!」
と言い出した。
思わず、
「◯◯はキモくなんかない!
精一杯頑張ったんやろ?
そんなこと言うたら、
◯◯がかわいそうや!」
と声を荒らげてしまった。
私にはアスリートの気持ちはわからない。
勝負に勝つためには、
厳しすぎるくらいの目で
自分を見なければならないのかもしれない。
でも、やっぱり、たった1人で戦うときに、
自分だけは自分の味方でいなければ、
力は発揮できないのではないかと思う。
親が余計なことを言ってはいけない
と思いながらも、
自分はダメだ最低だと泣く娘に、
「あなただけは、
あなたの味方でいてあげて」
と言わずにはいられなかった。
そして
落ち込む間もなく、
娘はまた次の遠征に出て行く。
自分の弱さと向き合うことを繰り返しながら
人は成長していくのだなと、
子供達を見ていて思う。
小さい頃は、
” できるだけ傷つかないように ”
” できるだけラクに
お得に失敗しないで生きられるように ”
と、先回りして道路整備してしまった。
あれは、余計なお世話だったな。
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